離岸流とは?
離岸流とは、沖へ向かう激流のことです。
岸へ到達した海水は、どこかのタイミングで沖へ帰らなければなりません。
沖に帰っていく流れは、時に激流になります。
それが離岸流です。
どうして離岸流が発生するのか?
離岸流は、岸に打ち寄せられた波が一か所から沖へ戻ろうとして発生します。
また、沖縄のように珊瑚礁がある地域では、干潮時にリーフの裂け目から沖へ向かう流れが発生し、これも離岸流の原因となります。
リーフでの離岸流はこの動画がわかりやすかったです。
離岸流の見つけ方
離岸流は毎回同じ場所に出現するわけではなく、神出鬼没です。
しかし、特徴を押さえていればある程度予測することができます。
白波が立っていないところ
波というのは、水深が浅くなってくると海底の影響が強くなって波が崩れて白波が立ちます。
離岸流が発生しているポイントは、強い流れのため海底の砂が削れて水深が深くなっています。
そのため海底の影響が小さくなるので、白波が立たなくなります。
なので、一部だけ白波がたっていないゾーンがあれば、離岸流が発生している可能性があります。
白波が立っていない=水深が深い
であって、
白波が立っていない=離岸流ではないので注意してください。
漂流物の流れをみる
漂流物がすごい勢いで沖に流されていれば、そこはほぼ間違いなく離岸流が発生しています。
また、流された漂流物は沖で溜まるので、沖に漂流物が溜まっていれば、その手前には離岸流が発生している可能性があります。
波がざわついている
ざわついているという表現が正しいのかはわかりませんが、離岸流が発生しているポイントは、他とは異なった波の表情をしています。
岸に向かう波とぶつかっているからなのか、ざわざわしています。
他の場所とは違う波が発生している場所は離岸流が発生しているかもしれません。
リーフの裂け目
珊瑚礁に囲まれた島では、遠浅のリーフ(サンゴ礁)が続いています。
リーフには、ところどころリーフの裂け目、切れ目があり、そのまま外洋へ続いています。
引き潮になると、そのリーフの切れ目から潮が引いていくため、強い流れが発生することがあります。
湾になっているところ
湾になっていると、そこに波が集まりやすいため、離岸流が発生している可能性があります。
突堤
突堤などの障害物があると、沿岸に平行に進んでいる波が当たって沖に向かっていくので、離岸流が発生している可能性があります。
離岸流に巻き込まれたときの対処法
離岸流に巻き込まれたときにやってはいけないことは、流れに逆らって岸に戻ろうとすることです。
激流すぎて前に進むことは無理ですし、仮に進めたとしてもかなりゆっくりで、岸までたどり着けない可能性が高いです。
そのうち力尽きて溺れてしまいます。
ではどうすればいいのかというと、
- 流れと垂直に泳ぐ
- いっそ沖まで流される
と二つの手段がありますが、圧倒的に流れと垂直に泳ぐことをオススメします。
流れと垂直に泳ぐ
もし激流の川で流されたら両端どちらかの岸まで泳ごうとしますよね?
離岸流でも同じで、多少沖に流されながらでも、流れとは垂直に泳いで緩やかな流れのところまで行きましょう。
流れが落ち着いたら、ゆっくり岸に戻りましょう。
離岸流とは、必ずしも岸から離れてく流れではなく、岸に平行な流れもあります。
岸と並行に泳げばよいわけではなく、流されている方向を見極めて、その方向とは垂直に泳ぐようにしましょう。
いっそ流される
あまりオススメしませんが、これも一つの手です。
体力を消耗するくらいなら沖に流されて救助を待つか、流れが緩やかになったところで遠回りしながらゆっくり岸に向かうのもありかもしれません。
ただ、普通の人は一人で沖に流されたら怖いですよね?
パニックになるかもしれません。
そういうデメリットが大きいので、この方法はあまりオススメしません。
私が体験した離岸流
楚洲海岸
沖縄本島北部には、伊江川が流れ込む楚洲海岸という地域があります。
きれいな川、きれいな海、広い河原があってキャンプにはもってこいの場所ですが、
ここの海岸は大きなリーフの切れ目があります。
しかもその横に大きな岩場もあります。
そのせいかかなり強い離岸流が発生します。
何度か通っていて離岸流に遭遇したのは一回だけですが、岸から3mくらいで腰くらいの深さでも立つのがやっとなレベルで激しい流れが発生していました。
大潮の引き潮では特に注意が必要と思います。
座間味島
座間味島で経験した離岸流もかなり強い流れでした。
突堤のように伸びる湾の形の影響が強かったと思います。
岸辺で泳いでいたんですが、フィンをつけてクロールしてもまったく進みません。
岸と並行な流れで、すぐ横が岸だったため難を逃れました。
まとめ|離岸流の対処法
離岸流は地形や波の様子からある程度予測することができますが、基本的には神出鬼没です。
陸から見てもよくわからないのですから、泳いでいる最中ならなおさらです。
もし離岸流に巻き込まれたと判断したら、流れに逆らって体力を無駄に消耗しないようにすることが大切です。
この記事が誰かの役に立てば幸いです。
では!